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2011年7月25日 (月)

住宅のひかりについて

私は空間を考えるとき、ひかりのことを念頭においてイメージするようにしている。
ここで言うひかりとは、白熱灯・蛍光灯・LEDなどの照明及び太陽光もふくめて言っている。
私たちの身のまわりのものは、ひとつ残らずこのひかりをまとって私たちの目に見えている。
そのものを照らし出しているのが、白熱灯なのか蛍光灯なのか、昼白色なのか白熱灯色なのか、直接光か間接光か、どの角度で光があたっているのか、そして自然光なのかどうなのか等、すべてそのものの見え方を左右する要素なのである。
では、私たちにもっとも身近である住宅における、おちつける場所・空間のひかりとはどのようなものであろうか。
ここで誰もが経験したことがあるであろう、夕暮れの光景を思い浮かべてもらいたい。
夕暮れ時になり太陽高度が低くなり、光が低い所から照らし、影が長く伸び、赤くなった空は徐々に闇に侵食されていく。
人は太陽が沈んでいき、光が低い所からさしこんでくるころには、日中の活動的な気持ちは徐々に抑えられ、心身ともに休むための準備をはじめる。夕日をみるとテンションがあがってどうしようもないという人は、夜の遊びにくりだそうとしている人ぐらいで、これは違う意味でのスイッチが入っているのでここでは割愛したい(昼間以上の活動をされる方々、失礼!)。
住宅の照明はなるべく光源の高さを低くした方がいいと私は考える。
先に述べた、夕暮れ時の人の心理に沿って考えると、真上から燦燦とふりそそぐ光は、人を活動的にする光、影が伸び太陽高度が低くなり光が低いところから差してくるのは、人をリラックスさせ、おちつかせる光ということができる。
住宅は、オフィスなどで活動して、くたくたに疲れて帰ってくる人々のやすらぎの場である。
それなのに、帰ってきても、オフィスように真上から活動をうながす光が燦燦とそそぐのでは、どこでリラックスしていいものか。おまけに、遅くまでテレビやネットサーフィンのPCの光を浴び、はい時間ですとばかりに眠りにつく。心理的なクールダウンが抜け落ちて、いい睡眠が得られるはずがないではないか。いい睡眠がとれずに朝をむかえ、眠気を引きずったまま外の活動の場へ出て行く悪循環を繰り返すことになる。
まず、住宅から白々とした蛍光灯を追い出し、真上から一律に光を照らすことをやめる。
光源の高さを低くするために、スタンド又は床置き型照明を必要最低限設置する。そのときには、必ず生活シーンをイメージして配置し、なんとなくここに、というようなことはしない。あくまでも必要なあかりを配置するのである。
ダイニングの照明は特に大切である。
日本のダイニングとは茶の間の延長線上でのダイニングであり、そこでは、ありとあらゆることがおこなわれる。子供たちの宿題の場となり、みんなでTVをみたりする団欒の場ともなる。
そのような家族が集まる場の光は、白熱灯をテーブルから60センチの高さまでおさえてつける。低ければ低いほどいいと言う人もいるが、座ったときの目線の高さを考え、邪魔にならない高さから、私は60センチを一つの目安にしている。

・住宅には天井から照らす光はつけない。
・部屋の中心に全体を照らす蛍光灯をつけない。
・光は必要なところに必要なだけつける。
・ダイニングのマルチテーブルの照明は、座ったときに光源が目に入らない高さまでおさえてつける。
このようなことを念頭に住宅の照明計画をたてるのだが、お施主さんには明るければ明るいほどいいと思ってらっしゃる方も多く、ひとこと、「暗くならないですか・・・」。
影の部分を意識して光を考えている私としては、「暗い所もできますね・・・」というほかないのだが。。。
(暗い所に身を置いて明るいほうを眺める気持ちよさ!あの気持ちを忘れてしまったのか?)


■私の大好きな熊本・宇土の夕景。
汐がひいているときを事前に調べていくことをオススメします・・・三角港付近の潮汐データ
水たまりでできた縞の幾何学模様が最高に美しいです!!

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