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2015年6月 1日 (月)

明かりの計画

最近は、新聞などでも住宅の光環境を特集するなど
一昔前にくらべたら
明かりについて関心をもたれている方も増えているのではないだろうか。

僕らの子供の頃は、大体どのうちでも
とりあえず夜明るければ良いというような感じで
あの白々とした蛍光灯を部屋の真ん中にデーンとつけて
ハイ、終わりといったような家が多かった。
昼間のように部屋の隅々まで均等に明るくて
それはそれは便利なシーリングライト一つで万事オッケー☆
そんな感じで、照明計画などと言うしちめんどくさい事など
そもそも頭になかったわけです。

しかし一方、今でもこの辺りのことは
クライアントさんに理解してもらうのに苦労するところで・・・
(設計に携われている皆さんなら、ウンウンうなずき共感してもらえるはず)。
設計をきちんとまとめようとすれば
照明計画がいかに大事で
これ一つをしっかり計画しなかったばかりに
せっかくウンウン唸りながら苦労してまとめた
設計案もすべてオジャン。
いくら良いプランでもすっかり雰囲気がなくなってしまって
何のために設計に時間をかけてきたのか分からなくなってしまうほど
とっても大事なところなのですね。

そんなこと言ったって
当然ながらそのようなことに全く関心のない方には
なかなかこのことは分かってもらえない。
「食卓上部のペンダントぐらい自分たちで決めてもいいですか?」
っと軽くながされてしまうのもまたやむを得ないことだし
「ここにはスワロフスキー風のジャラジャラがついた
照明器具がつけたいのに何であなたが全部決めてしまうの!」
っと嫌な顔一つもされ
あげくの果てに
「暗くないですか?」
っと、とどめの一発!
(わざと暗いところもつくっているわけです。
人は相対的な感覚の動物ですから
何事も明暗、メリハリが大事なのです)。


その空間のイメージに沿ったかたちで
そのスペースの使われ方を想像しながら
例えば、居間のような家族団らんの場であれば
ダラダラと安心してくつろげるように
上からシャワーのように
部屋全体にまんべんなく光が降り注ぐような環境ではなく
床やテーブル、飾り棚などがほんのり明るく照らされ
光源が目に入らない落ち着いた環境をつくりたいと
何度も何度も修正に修正を重ねながら
照明計画を仕上げていくわけです。

だから、非常に手間暇のかかる作業ですし
照明器具も種々雑多な事柄を考慮に入れながら
(計画計画と言っても、いかにも設計が入りました
っというようなちょっと臭い空間にならない様にと気をつけながら!)
カタログで光度分布などチェックして選択していく。

僕のようなまじめな(否!ただ好きだから、頼まれてなくても
やってしまうわけですが・苦笑)
設計屋は、照明計画は大事、だからとことん練りに練って当然!
っと思うわけですけれど・・・
一部の心無い(ハイ、僕の偏見です)設計者は
メーカーさんに予算とプランを伝えて
「後はお願いしま~す」ってな“困ったちゃん”も居られてですねぇ~。
メーカーさん作成のクレームのつきにくい
ちょっぴり明る過ぎな、そんでもって
シンクロ調光だのといった新機能満載でお客さんが喜びやすい
計画案を(あたかも自分が作成したかのように)プレゼンして
一丁上がりってなわけです。

つくりたい空間のイメージが
メーカーさんに図面だけで伝わるはずがなく
(しかも1/50スケール程度の小さな一般図で)
設計として不安にならないのかなぁ~
と心配性の僕などは疑問に思ってしまうわけですがねぇ。

だから今現在、家を建てようと考えている皆々様、
こんな細かいところまで計画してもらわなくても結構!
あなたの家じゃないんだから
そこには私の好きなキラキラジャラジャラがついた照明器具をつけて!
などと一言言いたくなってしまう気持ちをグッと押えて
けなげな設計屋をやさしく、あたたかい目で見守ってくださいな
(な~んだ、結局それが言いたかったわけね・笑)。

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