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2016年4月

2016年4月22日 (金)

水は気まぐれやさん

寄棟屋根にした場合、
切妻にくらべて換気が取りにくくなる。

前回の記事で述べたとおり、
「鵜木の家」の下屋(平屋部の屋根ですね)は、
ちょうどアプローチ正面のところに隅棟が位置し、
ここには、棟のぽっこりとしたふくらみを持ってきたくなかった。

よって、隅棟を差し棟(ぽっこりとした棟カバーをつけない)
納まりにしたのだが、では換気はどこで取る?

っと、その前に寄棟ではなくて、
2Fと同じ切妻屋根にしたらいいんじゃないの?
という疑問をお持ちの方も多いはず。

ここは、設計者でも好みが分かれるところですが、
僕の好みとしては、アプローチ正面に来るところですし、
寄棟屋根の軒先がスーッと水平に通って、

敷地奥までフラットな軒天がつながってゆく奥行きの感じと、
平入りの玄関(壁の三角が見えない方ですね)で、

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2016年4月12日 (火)

隅っこはおろそかにできぬ

前回からの続きで、
「鵜木の家」の端部、角の納まりを
あといくつか取り上げます。

まずは、前回紹介した2段鼻隠しの角の納まり。

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2016年4月10日 (日)

軒先の話

軒先の納め方一つで、
建物全体の見え方ががらりと変わることは、
設計者なら誰もがうなずくところ。

よって基本設計の段階から、
よーし、ここの軒先ラインはこう見せようか、
おっと、給気口をここに納めると目立たないな・・・などなど、
設計屋は頭をぐるんぐるんフル回転させて考える
(寝ても寝ながら考えてしまう因果な職業w
気になってしょうがないんだなぁ~)。

それにしても人って、
どうして端部や角に視線が行っちゃうんでしょうね。
服のコーデにしたって、やっぱりまずは靴や帽子、
これらもコーデ全体の端部ですよね。

それから今じゃ、男だって指先をキレイに整えたいと、
ネイルケア?に余念のない人達がけっこういるらしいし
(そりゃ、名刺交換のときに爪が伸びてて、
その中に黒い垢がたまってるとか、
小学生男子のような大人は、さすがにアウトでしょうけど)。

まぁ、ちょっと話が脇にそれちゃいましたけど、
そんなこんなで、軒を出さないようなボックス型にしようが、
軒を深く出す納まりにしようが、
その形いかを問わず、そこにふさわしいディテールがあるわけですね
(全体で見たときに、こうあるべき部分、ディテール)。

そこで、「鵜木の家」ですが・・・
1階軒先は軒天井を水平に張っているので
(内部天井が外へ伸びているように見せる)、
ややもすると鼻隠し(軒先の板の所ですね)が
ボッテリと鈍重な印象になりがち。

そこで、こんな感じで鼻隠しを2段に分けて、

その2枚の間を利用して給気口としています。
これだと軒先が薄く軽い感じに見えますし、
換気部材を仕込んでも、うまく影になって見えませんよね。

こちらが2階の軒先。

パンチングメタルを使った、よくされる方法で軒先給気。
こうすると、ラインが通ってスッキリと見えますよね。

それから次は、ケラバ側(三角になってる方って言うと
分かりやすいかな)。
先端の板の部分を破風板と言いますが、
こんな感じで眉欠きという加工をしています(下の方の欠き込み)。

数奇屋建築でよく使われる手法ですが、
一本ラインを入れることで、シャープに見えます。
ちょっと見づらい写真ですが↓

2階の棟(屋根のてっぺん)のところですね(建築用語では拝みって言います)。
眉欠きで陰影のラインが出ます。

ついでに言うと、換気棟も端部から300ほど内側にいれて設置しています。
こうすることで、下からの見上げの視線では、
左右の屋根が一体になっているように見えるんです。
棟が端っこまで伸びて来てると、そこで左右が分断してるみたいに見えちゃうので。
(板金屋さんは、端まで伸ばした方が雨仕舞いしやすいのは重々承知、お手数かけましたw)。

っということで、今回は建物の見え方を中心とした軒先の話でしたとさ・・・☆

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2016年4月 6日 (水)

ちょっと構造の話

さて、上棟がすんだら、
まずは、これですよね。

餅まきで~す!
最近は、餅まきするところも少なくなってきたようですが、
「鵜木の家」はびっくりするぐらい多くの方が来られました。
こういう行事もなかなか良いですよね☆

上棟後は金物検査。
建物に外力がかかったときに、
柱がスポッと抜けたりしないように、
金物で部材と部材を緊結するんですね。

そのため、あらかじめ設計者は金物計算をし、
それに見合った金物とその位置を図面で
明示しとかないといけません。

まぁ、言葉で書くと何だか難しそうですが、
設計者としては、ごくごく一般的な業務。

僕の場合は軸組模型をつくって、設計初期の段階から
とことん構造を検討します。
大事な所ですし、プロとして間違いは許されませんからね。
(伏図という、梁の大きさなんかを指示する図面があるんですが、
ある設計の方に会った際、うちのPCソフトは優秀だから、
間取り図入れたら伏図まで自動で描いてくれますよっと、
平然とした顔で一言。僕、心の中でご愁傷様ですの一言w
だから皆さん、こんな方も中にはいらっしゃいますから、
設計者を選ぶときには慎重に)。

それから主に金物の検査になるのですが、
上棟後は中間検査という公的な検査も受けなければなりません
(場所によっては木造住宅規模では受けなくてもいいところもあります)。

しかしこの検査、僕がこんなこというのも何ですが、大いにあま~い!
パッと見て、ちゃんとできてますよねなんて言って、
サインもらったら10分、15分ほどで「では・・・」と、
ささっと帰って行かれる検査官の方もおられるぐらい。
クライアントさんは、これに検査料2万何千円も払っているのに・・・
な~んて、検査される側の我々が思ってしまうぐらいw

その点「鵜木の家」の中間検査は、
かなり真面目に一つ一つ見て行かれました。
ただ・・・
「ここは通し柱ですからホールダウン(金物の種類)は要りませんね」
の一言には、ちょっとなぁ・・・。
確かに規定としては必要ないんですけど、
実際の構造のことを少しでも考えられるなら、
おのずと通し柱の補強金物だって専門家なら分かりますよねぇ。

検査といっても、この程度の検査なのです。
実際には、あまりあてになりません。

ねっ、だから多少の(工事費と比べたら微々たるものです!)
設計監理料払って、第三者的な立場の設計屋さん雇って
きちんとした構造計画してもらった方が安心できるでしょ。
もっと設計事務所にお仕事を!w

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2016年4月 5日 (火)

カッコイイのはカッコ悪い!

いやはや、時の過ぎるのは早いもので・・・
(いつも、この書き出しw)
年が明けて早4ヶ月、年明け初のブログ更新です。
まずは皆様、新年明けましておめでとうございます!w

さて、気を取り直して久しぶりに更新しま~す。

あっ、その前に言わねばならないことがあった。
ぜんぜん更新しないブログだというのに、
「ポチッ」として頂いている方々にまずはお礼を言わねば・・・
いつもありがとうございます!

「鵜木の家」は現在、ほぼ外壁工事が終わった段階です。
っと・・・ブログの中では、まだ基礎工事の段階でストップしてますが。

基礎のコンクリートを打ったのが去年の11月末。
コンクリートの性質上、固まるためには適度な湿度と温度がいるんですね。
そこで寒い季節にコンクリートを打つ場合は、
温度補正をして強度をあらかじめ上げておきます。
だいたい一般的な木造2階建住宅の場合、
設計基準強度(N/mm2)が21とか24が多く、
それに+3の温度補正値を加えて、
24あるいは27にすると言ったところでしょうか。

鵜木の現場も、もちろん温度補正しており、
基礎立上がり打設後、7日以上の養生を現場に指示しました
(強度の発現の遅れを考慮して、すぐに次の工程に進めないこと。
こういうこと考えないですぐに建方始めちゃう工務店が多いので、
家を建てようと考えているクライアントさんは御注意を)。

そして、防蟻処理(怖い怖いシロアリですね)をしてから土台と大引を施工、
足場組んで建方という流れ。

昨今の現場はプレカット(工場で仕口加工してくることで、現場での作業を少なくできる。
現場では届いた材料を組立てるだけでオッケー)なので上棟するのも早いです。

どうです、普通のかたちでしょ。がっかりしましたか?
設計屋が入ってるから、どんな斬新なかたちなのかと期待していた方々にはごめんなさいw
僕はむやみやたらに、いかにも設計が入ってます的なのが、におってしまって・・・臭くてね~
(それから、あごヒゲか何かはやしてる、僕デザイナー!気分の方も苦手ですw
一緒にいるこっちが気恥ずかしくなっちゃう)。
スタンダード(僕の中での)な当たり前のかたち、そこにあって違和感を感じさせないものが
好きなんです
(例えば、「鵜木の家」は屋根勾配一つとっても、まわりの家の屋根に合わせて、
1階が4寸、2階が4.5寸にしています)。

だから、いかにもっていうカッコイイかたちにカッコ悪さを感じ、
一般的に何の変哲もない普通のかたちをカッコイイと思う、
逆転しちゃってるのかな?

次回に続く・・・

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