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2016年4月22日 (金)

水は気まぐれやさん

寄棟屋根にした場合、
切妻にくらべて換気が取りにくくなる。

前回の記事で述べたとおり、
「鵜木の家」の下屋(平屋部の屋根ですね)は、
ちょうどアプローチ正面のところに隅棟が位置し、
ここには、棟のぽっこりとしたふくらみを持ってきたくなかった。

よって、隅棟を差し棟(ぽっこりとした棟カバーをつけない)
納まりにしたのだが、では換気はどこで取る?

っと、その前に寄棟ではなくて、
2Fと同じ切妻屋根にしたらいいんじゃないの?
という疑問をお持ちの方も多いはず。

ここは、設計者でも好みが分かれるところですが、
僕の好みとしては、アプローチ正面に来るところですし、
寄棟屋根の軒先がスーッと水平に通って、

敷地奥までフラットな軒天がつながってゆく奥行きの感じと、
平入りの玄関(壁の三角が見えない方ですね)で、
深い庇がグッと伸びて内外部の区切りを感じさせずに導く、
そのようなアプローチにしたかったので、
寄せ棟を選択したわけです。

さて、ここで今回の本題。
では、どのように屋根にたまった熱気を換気するか。

まずは、僕のミスの話からですが、
計画段階で僕が考えていたのは、
壁と屋根のぶつかるところ、
屋根が壁に沿って上っていく梁行き方向のところですね、
そこの雨押えに換気部材を設置して、
熱気を抜こうと考えていました。

っがしかし、メーカーさんに確認したところ、
僕が使おうとしていた部材は、
そのような使い方を推奨していませんという返答
(つくったら需要ありそうだけどなぁ)。

うーん、どうしたことか・・・
いろいろ考えた末(寝ても寝ながら考えていたところw)、
一休さんみたいに
「チーン!」とひらめいた。

さっそく、手を動かしてつくってみる。
(これが大事、アイデアは磨いてこそ!)
試行錯誤の末、上手くいかなかったら、
クライアントさんに正直に打ち明けて、
軒先換気のみで許してもらおう
(軒先換気だけでも、十分に換気はまかなえる計算。
効率が悪いのは否めないが・・・)。

そんで何パターンかつくって、できたのがコレ↓







ベントキャップ(ステンレスの平たいヤツですね)を装着すると、
こんな感じ。

そして実験。
シャワー状の激しい水を、斜め下から吹きかけます。
うーん・・・なるほど~。
水は思いがけぬほど飛ぶと
建築家の宮脇壇(みやわき まゆみ)さんは本で書いてたけれど、
実際に、自分でやってみるとホントにホントだ!
思いがけぬほど飛ぶし、思わぬ方向に飛ぶのだ水は。


そこで、もう一つ工夫を施す。

こんな風に塩ビ管を加工してやってと・・・
(かなり手工芸的な仕事。
突き詰めると、いつもこうなってしまうのは僕の性分w)

再度実験。


水きり板の役目ですね。
管の内壁に沿って空気が渦を巻いて、
雨粒を吹き上げた場合をかんがみてのこと。

うん、これで良いと思います。


設置箇所も実際に現場でモノをあてがって、
もう少し下とか上とか言いながら決定。

違和感がないように寄棟の先端上部に対でつけてと・・・
(もう少し補足すると、壁の一部、ベントキャップと屋根の間ですね、
そこの壁の断熱性能を落とさないように、
ボード状の薄いものにして小屋裏からの通気層を確保しています)。

考えて考えて試行錯誤、思っていた以上にハードな日々でしたが、
上手くおさまったのを確認した瞬間、そんな疲れは吹っ飛んでどこへやら♪

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