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2017年4月

2017年4月27日 (木)

思い込み

少し前の話なんですが…
香椎(福岡)に行く用事があり、
そのついでにある住宅を見に行った時の話。

九州で設計活動をされている人なら
一度は見に行ったことがあるような
けっこう有名な住宅です。

柿沼守利氏の設計、香住ヶ丘の舎。
見晴らしのいい高台の立地で、
傾斜のきつい道をのぼってゆくと
3寸勾配ほどのガルバ屋根が見えてきます↓
Pic1

クラッシャ―混のモルタル掻き落としの外壁に
深く張り出した軒先の陰影。
独特の雰囲気がありますよね↓
Pic2

玄関扉を見ると、白井晟一のところに
おられたのが一目でわかります。
変わったところにドアノブがついてるでしょ。
東京に白井晟一設計のS邸を見に行った時にも、
実物では初めて見る、この妙な位置につけられた玄関扉を
熱心に見たのですが、
恥ずかしながら、これは白井晟一のセンスで
この位置にドアノブがつけられているもんだと
ずっと思い込んでいました↓
Pic3
っが後日、「猪熊弦一郎 87歳の青春」を観ていたら、
モンマルトルの古いアパルトマンの玄関扉がチラリと映り、
なんと、ドアノブが扉の中心についているではありませんか(5:17頃)。
な~んだ、そこからきていたのね
(今頃気づいたの…という声が)。


ちなみに、なぜ中心につけられるのかネットで調べてみると、
セキュリティのことが理由らしい。
つまり、端についているより
開けるのに力が要りますよね。
だから外敵が侵入しづらいと、中央のドアノブの方が。
それから、ドアを開けて隙間から、
銃を室内に撃ち込みづらくなると。
(個人的には、眉に唾をつけて聞きたくなるような。
人間、理由をつけるのがうまい動物ですからね)。

Pic4
やはり歴史を知らなきゃダメだなと
思いましたね、その時。
結局、どんなことでもそこに行きつくんですね、
歴史に学べと。
言い古された言葉ではあるが、
だからこそ…

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2017年4月23日 (日)

本棚

フェイスブックのタイムラインを
何気なく見ていたら、
「誠に勝手ながら…」から始まる文章が
流れてきた。
ウェブ上の本棚をつくっていた
「ブクレコ」の記事だ。
6/30をもって終了しますとのこと。

あ~あ、けっこうこまめに更新していただけに残念…。
面白そうだなと思った本は、
メモ代わりに「読みたい」に登録。
本屋でブクレコににつないで
「あの本のタイトル何だっけなぁ~」っと、
読書記録以外でも便利だったのに。

Img_2358
↑ただいま読書中の本、13冊(前列)。
その時の気分で選ぶので、
何年も読書中のまま眠っているものも。

まぁ、終了は終了だから
しょうがないってことで、
ブクレコと使い方がよく似ている
ブクログに乗換えしましょかね~
ykawasakiの本棚

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2017年4月13日 (木)

広島へ

広島に建築を見に行ってきました。
鳥栖から乗車券・新幹線自由席込みで
片道8800円。
しかも新幹線で1hほどで到着。
近いですね~。

広島におりてまず驚いたのが、
赤いキャップをかぶった
カープファンが多いこと。
熱いとは聞いていたけど、
こういうことだったのねとガッテン。


さてまずは、
駅から歩いて1キロほどの
世界平和記念聖堂に↓

村野藤吾の設計です。
重厚で荘厳な中に
人の手を通したぬくもりが感じられる空間。
どことなくストックホルム市庁舎のイメージが
重なりました。

 一部仮囲いがしてあり
補修工事中でしたが、
なかには自由に入れます。
人が少なく、静寂の空間に
靴音のコツコツ反響するさまが何とも贅沢。
大きなパイプオルガンがあって、
このステンドグラスの沈黙の光に照らされた空間に
こだまする音色を想像するだけで鳥肌が立ちますね。
さぞかし感動するんだろうなぁ。


聖堂から西へ。

平和公園の中を通り抜け
ピースセンター↓

言わずと知れた丹下健三の設計。
以前に何度か来たことがあるので、
今回は詳しく見学せず。
ただ、杉板型枠の打ちっぱなしの肌に
白いペンキが塗られてしまっていて…
少し残念な感じ。
ピロティの柱の少し荒い感じの肌が
個人的には良かったのになぁ。


ピースセンターをちょっと見て
まだ西にずんずん歩く。
途中、蓮の葉のような屋根が目につきスナップ↓

すでに使われていないタクシー乗り場?
パッと見、F.Lライトのジョンソンワックスの柱みたい
と思ったんだけど、比べるだけ野暮か。


太田川を越えて西区に入る。
今回の目玉にいよいよ近づいてきたな。
ワクワクドキドキする気持ちを抑えつつ
住宅地の中に。
あぁ、あったぞっ
今回一番見たかった建築が↓

N設計室の設計、広島の家です。
ほぉ~、さすがに上品ないでたちだなぁ。

「えっコレが今回の目玉?
建築家の設計にしては普通だね…」
と言いたいんでしょ。
でもね、僕に言わせてもらえば
そうですよ普通ですよ、
だからカッコイイじゃないですかとなる。
誰か見て見て!
と媚びを売るような、
いかにもデザイナーズといったような感じは、
ちょっと見てる方が恥ずかしいよとなっちゃう。
安物レザーの先がとんがった靴で
カッコつけているつもりだけど
カッコ悪いってのが一番カッコ悪い!
(はい、僕の偏見です)
中村好文氏いわく
「二世帯住宅ならぬ、見せたい住宅」は、
いやだなぁ、僕は。


不要なことが一切されていない潔さ。
その土地にあったバランスと
可愛らしいボリューム、外構とマッチしたその外観。
内部はもちろんみられないが、
他のN設計室のプランニングから想像するに、
F.Lライトがよくやったような低く抑えられた天井、
奥に垣間見える開口部からの自然光の気配。
その光に導かれる視線の先には植栽。
絞られた開口部による内部の安心感と
外に向かおうとする人の気持ち。
良い建築は細部まで
よく考えられているのです。
そしてなによりクライアントさんが
愛着をもって丁寧に暮らしていることが
伝わってきます。

既製品のカーポートを家の前に
ドーンと設置するのが流行りの悲しいご時世ですから…。


プライベートな空間なので
最低限のマナーを守って、
30分ほど通行人として行きつ戻りつ。
横目でチラリチラリと見ながら時々スナップ。


今回の一番の目的も果たせたし、
さて戻ろうか。
近くで雰囲気ある家を見つけ
こちらでも通行人↓

いい感じですよね



戻っている途中、
広島と言えば大高正人の
アレがあったなと思いだす。


イサムノグチ作の欄干

西平和大橋と↑
平和大橋↓にも立ち寄り
(ここは外せませんね)



その近くにあったイタリアンレストランの感じも
なかなかいいじゃないですかとスナップ↓



ちょっと行ったとこの新大手町ビルも
僕の好きな感じ↓



元安川沿いのカフェも↓



っといろいろ経由しながら
川沿いの桜並木をどんどん歩き
やっとこさ見えてきたぞ↓

大高正人の設計、市営基町高層アパートが。

まずは、その規模の大きさにびっくり。
竣工1978年ですよ。



大高作品独特の、
商店街、小学校に幼稚園、
屋上庭園などが住居と一体となって
人工ミニ都市を構成しているさま。



アパート足元の天窓から燦々と光が降り注ぐ
理髪店も渋いな↓



廊下が折れ曲がる折れ曲がる、
まるでちょっとした迷路のよう。
そして廊下を歩いていると
突然、上部が吹き抜けて自然光が落ちてきたり↓



厚い壁に穿たれたスリットと↓

まぁ、どこまでも芸が細かい。
意図的に荒く仕上げた
打ちっぱなしの肌も奥行き感が出ていて良かったなぁ↓

建築はここまでやらなきゃと
諭されている感を受けました
(以前、坂出人工土地を見に行った時も
ここまでやるか!という感じでした)。


熱くなった頭を
隣の広島城と桜並木でクールダウン↓

やはり建築は体験しなきゃ
話になんないなという思いを
より一層強くした広島の旅でした☆

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