車で8時間、京都・大阪へ④
御蔵山の家も見ることができたし、
さて帰ろうか、
また車で長時間走らねばならないことだし…
と思ったのだが、
せっかくだからまだ他に見とかないと
いけないものはなかったかなぁと。
(もう長々と建築の話ばかりされて飽きたよ。
すみやかにお帰りあれ!
という声が聞こえてきそうだが)
そうだ!
あの建物があったな。
そう、2011年に京都市が
舞台機能の向上を理由に
改築を発表して以来、
専門家はもちろん市民も巻き込んで賛否両論、
多くのシンポジウムがひらかれ、
市民にとっての建築とは一体何なのか
話しあわれたあの建築。
戦後モダニズムの代表作として建築学会賞、
DOCOMOMO100選にも選ばれている
前川國男氏が設計した京都会館です。
2016年1月リニューアルオープンした
京都会館あらためロームシアター京都。
前川氏がコンペ案の説明として
東山に囲まれた平面的な公園、
水平的な性格を有する疎水の流れ、
周辺の建物のボリュームを考慮すると
巨大なマッスの高層建築物は不釣り合いとして、
極力ボリュームを抑えた勾配屋根を採用したと。
その環境との調和が
内部機能を充実させるということだけで
反故にされていいものかと。
長年市民に愛されてきた建物の持つ記憶を、
そう軽々と壊してもらっては困ると。
そして皆の建物なのに
半分以上壊すことを基本方針として
話が進められた後、
公表されるとは何事かと。
プロセスの順番が違うではないかと。
確かに日本は、
あまりにも軽々と建物を壊す傾向がある。
古いものには古いものしか
持つことができない価値があると、
皆知っているはずなのに。
これはどうしたことだろう?
ただ今回、限られた時間のなかで
僕が体感して思ったことは、
旧京都会館とはもちろん比較することは
できないが、基本設計を担当した
香山壽夫氏が熟考に熟考を重ねた末に
出したかたちであると強く感じたことだ。
前川氏の考えを可能な限り自己に引き寄せ、
導き出した答えだと。
詳しく知りたい方は、
香山氏自身の言葉で聴いていただきたい
→「香山教授の建築炉辺談話 第6回」
↓このあたりがキモの部分ですね
(いま、ウンウンと頷かれている方、
なかなか分かってますね~)
↓そして最も豊かな空間はココ。
この位置から眺めるこの空間の流れ♪
↓コルビュジェを思わせる
ごつくて丸みを帯びたプレコンの手すり。
FBでアップしたところ、
ある方が流しそうめんができそうですねと。
確かに!
↓東京文化会館とリンクする
力強い庇とプレコン手すりの
はね出しの納まり。
磯崎新氏流に言うなら「断絶」でしょうか。
カッチョイイですね~!
↓個人的には裏側勝手口の
このあたりのプロポーションがお気に入り。
潔さが感じられるでしょ。
前川氏独特の
打ち込みタイルの深み、奥行き。
ウーン、味わい深い
↓そして、隣の細見美術館もスナップ。
こちらは大江匡氏の設計。
雰囲気ありますよね。
そしてロームシアター内の
オシャレな蔦屋さんにもちょこっと立ち寄り、
時間ぎりぎりまで歩きまわって
平安神宮を遠くに眺めつつ
後ろ髪を引かれる思いで
再び車で長い長い道のり…。
その後数日続くこととなる
寝違えと似た首の痛みの
おみやげ付きでしたとさ
おしまい☆
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