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2017年9月 8日 (金)

東京・埼玉へ③

ホテルチェックイン後、ちょいと腰かけ一休みしたら明日の準備。
まずは今日着用したパンツの手入れ。

Tシャツはさすがに嫌だけど、1泊2日ぐらいならパンツは連チャンで荷物を少なくする(下着も2日目は裏返せば履けるぜっていうツワモノもたまにおられるが、僕はそこまでは)。
ボトムスはそんなに汚れが目立たないが、この日はかなり蒸し暑く、よ~く見ると腰回りに汗染みが…。
タオルを水で濡らし生地を軽くたたくようにして汚れを拭取る。
その後、備品のファブリーズでシュシュっと消臭して干しとけばオッケー
同じくスニーカーもインソールを水拭きした後、消臭。

お風呂に入ってTV見ながらSNSに写真を1,2枚アップしていたら、あっという間に時計の針が1時を回っているじゃないですか!
明日は大事な見学会だというのに、寝不足じゃしょうがねぇと急ぎ就寝。

5時過ぎに一度目が覚めてしまうが(普段が朝方なので)、寝不足はいかんいかんと枕元の水を一口飲んで2度寝、7時に再起床。
ヒゲ剃って洗顔して身支度整えたら今日の目的地、埼玉県川口市へ出発

朝食は秋葉原駅のパン屋さん「ヴィ・ド・フランス」でパン+コーヒーでさっと済ませ、まずは山手線で日暮里まで。
そこから常盤線に乗り換え北千住まで行き、東武スカイツリーラインで草加へ。
草加駅前からバスで20分ほどで南公園にとうちゃこ。
バス停から歩いて5分ほどで目的地に。

着いたのは見学開始時間30分前だったが、もうすでに見学者と思しき人たちがちらほら。
せっかく早く来たのだからまだ人が少ないうちにと、見学料1,000円を払ってさっそく見学開始(主催者:住宅遺産トラストの会員さんは500円)。

おっと、何の見学会か言ってなかったですね。
はい、「中山邸 1983年/設計:宮脇檀建築研究室 最後の見学会」なのであります

今年9月に解体されてしまうということでこれで見納めというわけです

僕にとっては、宮脇さんの住宅の内部を見ることができるまたとないチャンス。
1カ月前に知り、これは行かねばと即決
「見ようと思うものしか見えない:宮脇語録」のだからと、古本屋から図面が掲載されている本を取り寄せて下調べ済み。

建築畑に居て、宮脇さんを知らない人はいないと言い切ってもいいぐらいの人(宮脇さんのお母さんも著名な方、アップリケ作家:宮脇綾子さん)。
また、建築設計と同じくらい執筆活動もされた方で、専門家向けのディテールの本から一般の方が楽しめる生活にまつわるエッセイ本まで、住宅と生活の結びつきを玄人素人問わず紹介した非常に有名な建築家であります。
惜しくもすでに故人となられ20年ほど経ちますが、その人気たるやまだまだ。
今回の見学会でも次から次に見学者が押し寄せ、金魚なら酸欠であっぷあっぷ、宮脇檀ブランドの底力を思い知らされました

さて前置きはこれぐらいにして、ではさっそく中へ。
B
5メートル超の奥行きを持つ玄関ポーチがお出迎え。
もうここだけで豪邸感がひしひしと感じられるしょ。

それもそのはず、中山家はこのあたりの庄屋さんで、敷地がぐるりと濠に囲われ埼玉県保存木に指定されているような巨木があるようなお宅なのであります。
敷地面積は2,500㎡超で既存のどでかい長屋門、宮脇さん曰く、「それは優に通常の2階建住宅より面積も棟高も大きい」と土蔵があるという「僕の事務所の手がける住宅で、ほとんど考えられない稀有の敷地の広さ」とな。
(ただ、現在はすでに濠は埋められ住宅地と駐車場に、長屋門はアパートに…)。

宮脇さん曰く「いらっしゃいませと開く玄関」の内開き玄関ドア。
C
そこはかとなく気配は感じさせつつも、あけっぴろげに中が見えないように格子で透かし戸当たりも同様の意匠とし、ピポットヒンジで持ち出して枠なしで見せる。
閉じれば一枚の大きな格子戸に見えるというこだわり様。

はい、玄関入って正面に見えるはハメ殺しのピクチャーウィンドウ
(竣工時は窓中央にくるように中庭にカエデが植えられていた)。
D
ただのハメ殺しではないですよ。
竪枠にスリットが切られ、そこで通気がとれるという仕掛け(のはずなのだが、何度も建具を動かそうと試しみたがビクともしませんでした。何らかの不具合で固定されちゃったのかな?)。

玄関ホールを左へ
(ほら、人が多いのが分かるでしょ)。
照明埋め込みの壁がせり出す。
このせり出し方も一定ではなく、アーチが弧を描くように徐々に幅広に。
E

廊下を1.5メートルほど進んで左側、まず最初にある居室は書斎。
F
インテリアはほぼ片づけられ、めぼしきは↑左下に写るイームズのラウンジチェアを残すのみ(なにその椅子?の方は検索を。ハーマン・ミラー製のものはイスには違いないが、もはやイスではない価格?)。
G
↑こちらも玄関ホールの窓と同じく、見るため(左)、通気のため(右)と区別されている。

はい、縦横ともに広々とした居間。
約3間×4間ありますね。

H
南庭、北庭、中庭へと視線が抜けるとともに、おおらかな勾配天井に包まれている安心感も。
I
これぐらいのスペースがとれればコルビュジェのLC3も似合いますね~。
暖炉の火床と一体となったベンチもカッコいいなぁ~(この手法、吉村順三さんの建築で見たような)。

カッコイイと言えば「恰好よければ、すべてよし」は宮脇語録のなかでも有名なもの。
引っ越しして電化製品をそろえるとき、「映らなくてもいいからカッコイイテレビ持ってきて」と電気屋さんに言ったとか言わなかったとかいう伝説もあるし、宮脇さん自身も長身でスラリとした姿で、エルメスの動物柄シリーズのネクタイを好んで締めるようなオシャレさんゆえに、彼が教壇に上がると女子大生の黄色い声が飛んだとか、遅刻しそうな年頃の娘を(エッセイスト:宮脇彩さんですね)学校に車で送ると(車好きでジャガー・マークⅡ、ビートル、ミニ、カルマンギアなどに乗っていた)、その日カッコいいお父さんと学校で噂になるなど、その手の話がまことしやかに語られるような、傍目にもダンディでカッコいい男なのであります、はい(皆さんよくご存じの関西弁のオカッパ頭の建築家とは姿かたちが正反対、おっと失礼!)。

J
経年変化による米松の色合いが何とも美しい

居間を抜けて奥に行くと、2間×2間の8帖+床・押入れ・仏壇Sの和室。
K
打ちっ放しに和紙が貼られたモダンな床の間の壁。
なんでも外壁同様、白ペンキ拭き取りクリアラッカー仕上の計画だったが、ジャンカが多くて上手く仕上がらなかったため和紙貼りに変更になったとのこと。
L


言い忘れていたけど、中山邸は鉄筋コンクリート造と木造の混構造
(宮脇さんおなじみの手法ですね)。
先に見た玄関、書斎は鉄筋コンクリート造(以下RC)の部分、居間と和室は木造の部分。
そして子供室↓は再びRC。
M
プライベートな個室はRCで囲い、居間などの公室は木造で透過させて外部と連続させて見せるというわけです。
構造的意味合いもあるのですが、まぁそれは置いときましょう
N
子供室は長らく使われていないようで、だいぶ痛んじゃっていますね。


廊下を奥に進んで家族用トイレ。
O
入り口に向かって30度ふられた便器。
スムーズに導きたい気持ちが出ているのでしょうが、ここまでしますか?というぐらい芸が細かいですね~
っで便器に座ると左斜め前に三角のアルコーブが設けられ↓、収納S・奥行きを持たせるとともに視線と空気が抜ける。
P

トイレ北隣の浴室も、一見しただけでよ~く練られたことがうかがえる開口部がついてますね。
Q
極端に低い浴槽立上りになっていて、洗い場の泡が浴槽に飛び散らないかい?と僕は思ってしまったのだがどうでしょうね

そして最もプライバシーの高い主寝室が、廊下突き当り一番奥にあります。
R
宮脇さん曰く「プライバシーを持つ出窓」がデ~ンと正面に。
10,000Rのゆるやかな弧を描き、左右のガラリで視線を遮りつつ通気を確保、光は上部から落として間接光で室内をやわらかく照らす。
S
本で何度も見たことあるだけに、実物を前にすると「これはこれは恐れ多くも…」と水戸黄門の印籠状態になっちゃいますね(ちとオーバーね)。
T
↑南西の掃き出し窓から↓北東側クロゼットの建具を一部ガラリ戸にして奥にルーバー窓つけて、はい「南北通風は必ず取れる」の一丁上がり(これも宮脇語録ね)。
U

さて、次は再び居間に戻って食堂・キッチンをと思ったのだが、何しろ前述したように増殖するように増えてゆく人人人…。
カメラ構えてもファインダーに映るは他人の後頭部ばかり
よし、ここでひとまず外へ出て外観といきますか…
【次回に続く】

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コメント

こんばんは、イヌイカと申します。
いつも"いいね"やポチ"ありがとうございます。

今回、我が地元・埼玉県にお越しになられたとあり、思わずコメントしてしまいました
…といっても、いらっしゃったのはイヌイカが住んでるとことはちょっと離れた場所になるんですが…。

以前より、こだわりのある建物って凄いなあ、見学会とかあったりするんだなあ、などと感心しきりで読まさせて頂いておりました。

プロの視点から書かれた住宅や建物の話など、これからも楽しみにしております~

投稿: イヌイカ | 2017年9月12日 (火) 20時41分

イヌイカさん、コメント頂きありがとうございます!
はい、たまになのですがこのような見学会が各地で催されています(圧倒的に都市部、特に東京を中心とした関東圏が圧倒的の多いのですが)。
住宅はその用途ゆえに、見学できるチャンスが圧倒的に少なく、竣工後のオープンハウスか解体前のお別れ見学会ぐらいしか機会がないんですよね。
だからこのようなイベントの情報が入ると、すぐにスケジュールを調整して交通手段や宿の段取りをするのですが、遠方が多いので出費がけっこうな額になるんですよね…

投稿: 川崎義則 | 2017年9月13日 (水) 11時09分

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